二世帯住宅を一世帯へリフォームしたいと考えているものの、 費用や進め方、手続き に悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
二世帯住宅を一世帯のままで使うと、 空間の無駄 や 維持費の増加 などのデメリットが発生するため、 使わなくなったらリフォーム を検討するのが賢明です。
リフォーム方法には、
- キッチン撤去 でスペースを有効活用
- 減築 による維持費の削減
- 間取り変更 で住みやすさを向上
などがあります。
本記事では、 二世帯住宅を一世帯へリフォーム する際の 費用相場、手続き、業者選びのポイント を詳しく解説していきます。
二世帯住宅を一世帯にリフォームする方法と費用

二世帯住宅を一世帯のままで使うデメリットとは?
住空間の無駄が発生しやすい
二世帯住宅は、もともと二世帯が快適に生活できるよう設計されています。
一世帯で住む場合、不要なスペースが多くなり、無駄が生じやすくなります。
特に、不要な部屋や設備(キッチンや浴室など)がそのまま残ると、維持管理が必要になり、光熱費やメンテナンスコストが増加します。
例えば、二つのキッチンや浴室があると、それぞれの掃除や設備管理が必要になります。
使わないとしても、水道や電気を通している限り基本料金が発生し、維持するための費用がかかるのです。放置すると老朽化が進み、後々修繕費が高額になることも考えられます。
固定資産税や維持費が高くなる可能性がある
住宅の固定資産税は、延べ床面積や建物の評価額によって決まります。
二世帯住宅は一世帯住宅に比べて延べ床面積が広いため、一世帯で住む場合でも税負担が変わるわけではありません。
広い家に住めるメリットはあるものの、実際に使わない空間に対しても税金を支払う必要がある点はデメリットといえるでしょう。
また、光熱費や冷暖房費も一世帯分の住宅よりも高くなる傾向があります。
空き部屋が多いと湿気やカビの発生リスクが高まり、換気や管理の手間が増えることも懸念されます。
生活動線が非効率になることがある
二世帯住宅は、それぞれの世帯が独立して生活できるよう設計されています。
そのため、無駄な廊下や余分なドアが多く、生活動線が複雑になることがあります。
例えば、もともと親世帯と子世帯で別々に使用していた玄関や階段が、一世帯では不要になり、日常生活にとって非効率な構造になりかねません。
また、共有部分が少ないタイプの二世帯住宅では、1階と2階が完全に分かれていることが多く、移動が面倒になることもあります。
こうした構造的な問題を解決するために、リフォームを検討する家庭も少なくありません。
資産価値が下がる可能性がある
二世帯住宅は一世帯住宅と比べて購入希望者が限られるため、将来的に売却する際に買い手が見つかりにくい傾向があります。
特に、親世帯がいなくなり、一世帯で住むケースでは「広すぎる家」として敬遠されることもあります。
また、リフォームをせずにそのまま売却しようとすると、買い手がリフォーム費用を考慮しなければならず、売却価格が相場よりも低くなってしまうこともあります。
売却を考えている場合は、事前にリフォームや減築などの選択肢も検討することが重要です。
リフォームに必要な手続き
二世帯住宅のリフォームでは、住宅ローンや建築基準法に関する 手続き を確認することが重要です。
1. 住宅ローンの確認
リフォームの前に、 住宅ローンの契約内容 をチェックしましょう。
特に、 借入条件によっては大規模な間取り変更や設備撤去が制限される 場合があります。金融機関に相談し、事前に確認することが大切です。
2. 建築基準法の制約
増改築や減築を行う場合、自治体の 建築基準法 に適合しているか確認が必要です。
特に、 耐震補強が必要な場合や建ぺい率の制限 などがあるため、自治体の建築課に相談することをおすすめします。
キッチン撤去でコストを抑える方法
二世帯住宅では キッチンが二つある場合が多く、リフォームの際に 不要なキッチンを撤去することで費用を抑えつつ、生活空間を広げる ことが可能です。
1. キッチン撤去のメリット
- スペースを有効活用 できる(リビング・収納の拡張など)
- 水道・ガス・電気の基本料金を削減 できる
- 清掃やメンテナンスの手間が減る
2. キッチン撤去の費用相場
- 業者依頼 : 4万5,000円~8万2,000円
- DIYで解体 : 廃材処分費(1万~3万円)のみ
3. コストを抑えるコツ
- 部分撤去を検討する (シンクだけ外しカウンターは残すなど)
- 撤去後のスペース活用を考える (収納・パントリーにする)
- 複数の業者に見積もりを依頼する
注意点として、DIYで撤去する場合は、ガスや電気配線の処理が必要なため、専門業者に相談することを推奨します。
減築によるリフォームで住みやすい家へ
減築とは、不要な部屋やフロアを撤去し、建物を小さくするリフォーム方法 です。
特に 二階建ての二世帯住宅を平屋にすることで、維持費や固定資産税の負担を軽減 できます。
1. 減築のメリット
- 固定資産税が抑えられる
- 光熱費・維持管理費が削減できる
- 生活動線がシンプルになり、高齢者にも優しい住環境になる
2. 減築の費用相場
- 2階建てを平屋にする場合 : 1,000万~1,200万円
- 一部の部屋を取り壊す場合 : 300万~800万円
3. 減築時の注意点
- 建築基準法を確認し、必要な手続きを行う
- 耐震性を確保するため、構造補強を検討する
- 跡地を有効活用する(庭・駐車場など)
減築は大規模なリフォームになるため、経験豊富な業者を選び、計画的に進めることが重要です。
二世帯住宅を一世帯にリフォームする際の費用と工事内容

リフォーム費用の相場と節約ポイント
リフォーム費用の相場
二世帯住宅を一世帯住宅にリフォームする際の費用は、リフォーム内容や住宅の状態によって大きく異なります。一般的なリフォームの費用相場を知ることで、適切な予算計画を立てることができます。
リフォームの種類ごとの費用相場は以下の通りです。
- キッチンリフォーム:70~150万円
- ユニットバスの交換:50~100万円
- トイレのリフォーム:20~50万円
- 洗面所のリフォーム:10~30万円
- リビング・ダイニングのリフォーム:30~100万円
- 寝室のリフォーム:10~50万円
- 玄関リフォーム:10~30万円
一方、家全体のリフォーム費用の相場は、住宅の状態やリフォーム規模によって変わりますが、一般的には以下の範囲が目安となります。
- 部分的な間取り変更:300~500万円
- 完全分離型の二世帯住宅を一世帯に変更:1,000~1,500万円
- 減築を伴う大規模リフォーム:1,000万円以上
リフォーム費用を抑えるポイント
リフォーム費用は決して安くはありません。しかし、工夫次第でコストを抑えながら、満足度の高いリフォームを実現できます。
1. 複数の業者に見積もりを依頼する
同じ内容のリフォームでも、業者によって価格が大きく異なることがあります。最低でも3社以上の見積もりを比較し、適正価格を見極めることが重要です。
2. 使える設備は再利用する
キッチンや浴室、ドアなど、状態の良い設備は交換せずに再利用することで、コストを削減できます。特に水回りの設備は高額になりやすいため、無駄な交換を避けるのがポイントです。
3. 補助金・助成金を活用する
自治体によっては、リフォームに関する補助金や助成金が用意されていることがあります。耐震改修やバリアフリー改修、省エネリフォームなどが対象になることが多いため、事前に確認しておきましょう。
4. 工事範囲を最小限にする
必要のないリフォームまで計画すると、費用がかさみます。本当に必要なリフォーム範囲を明確にし、優先順位をつけて工事を行うことで、コストを抑えつつ理想の住まいに近づけます。
二世帯住宅をリフォームする際の間取り変更の考え方
二世帯住宅のタイプ別に考える間取り変更
二世帯住宅には、完全分離型・部分共有型・完全共有型の3つのタイプがあります。それぞれのタイプによって、リフォーム時の間取り変更の方法も異なります。
1. 完全分離型の間取り変更
完全分離型の二世帯住宅は、もともと玄関やキッチン、浴室などが独立しているため、片方の設備を撤去して空間を有効活用するのが一般的です。
間取り変更のポイントは以下の通りです。
- 使わないキッチンや浴室を撤去し、リビングやダイニングを拡張
- 不要な玄関を物置や収納スペースに変更
- 1階と2階の動線をスムーズにするため、階段の位置を調整
2. 部分共有型の間取り変更
部分共有型の二世帯住宅は、一部の設備が共用されているため、必要に応じてリフォームを行います。
- 共有していたキッチンやリビングを統合し、広いLDKを作る
- 使わなくなった寝室を趣味部屋やワークスペースに転用
- バリアフリー化を取り入れ、高齢になっても住みやすい家にする
3. 完全共有型の間取り変更
完全共有型の場合、大きなリフォームは必要ありませんが、余った部屋の使い方を工夫することが重要です。
- 使わない部屋の壁を撤去し、大きなリビングスペースを作る
- 収納を増やして、生活の利便性を向上
- 断熱リフォームを行い、光熱費を削減
間取り変更の際の注意点
1. 生活動線を考慮する
間取り変更をする際には、生活動線がスムーズになるように設計することが重要です。特に、リビング・キッチン・水回りの配置は、家族の生活スタイルに合わせて調整しましょう。
2. 耐震性を確保する
壁や柱を撤去する場合、建物の耐震性に影響が出ることがあります。リフォームの前に建築士や専門業者に相談し、安全性を確保しましょう。
3. 収納スペースを確保する
二世帯住宅はもともと広い設計になっていますが、リフォームによって収納スペースが減ることもあります。使わない部屋を収納として活用するなど、収納計画をしっかり考えることが重要です。
どの業者に依頼する?失敗しない業者選びのポイント
業者選びの重要性
リフォームを成功させるためには、適切な業者を選ぶことが不可欠です。業者選びに失敗すると、施工の質が低かったり、予算オーバーになったりするリスクがあります。
業者選びのポイント
1. 実績のある業者を選ぶ
二世帯住宅のリフォームは、通常の住宅リフォームよりも専門的な知識が求められます。そのため、過去に二世帯住宅のリフォーム実績がある業者を選ぶと、スムーズに進められます。業者のホームページや口コミをチェックし、実績を確認しましょう。
2. 複数の業者から見積もりを取る
1社だけの見積もりでは適正価格が分かりにくいため、必ず複数の業者から見積もりを取りましょう。価格だけでなく、工事内容や使用する材料なども比較し、納得できる業者を選ぶことが大切です。
3. 契約前に細かい工事内容を確認する
契約前に、どの部分をどのようにリフォームするのかを詳細に確認しましょう。曖昧なまま契約すると、「追加工事が発生して費用が膨らむ」などのトラブルになりかねません。
4. 保証やアフターサポートが充実しているか
リフォーム後に問題が発生した際に、保証やアフターサポートがしっかりしている業者を選ぶことも重要です。保証期間の長さや、無料点検の有無などを確認しましょう。
5. 自治体の助成金を活用できるか相談する
リフォーム業者によっては、助成金の申請手続きもサポートしてくれる場合があります。事前に相談し、補助金を活用できるか確認することも大切です。
リフォーム業者選びは慎重に行い、価格や実績、保証内容を総合的に判断することで、満足度の高いリフォームを実現できます。